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TENGA黒ハード(地獄変)

  ある日私はとある人物にTENGA黒ハードを買えよ?買わねぇとな!これだからな!これ!と脅迫された。

 

TENGAとはなにか?と純粋でピュアな方は引き返した方がいい、いや引き返すなら今しかない。逃げろ、穢れのない場所まで!

 

 

 

 

 

 

改めてTENGAとはなにか?

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これである。

見た人も多いはずだ。アダルドグッズのカテゴリーに入って置きながらそのデザイン性と会社の経営スタイルで従来のイメージを払拭した男性のためのトレーニング器具である。

もう一度言う、トレーニング器具である。

 

このTENGA、種類も豊富にあり値段もピンキリである。安いものは500円程で高いものは1万近くするものもある。

そしてその種類の中には初級者向け、中級者向け、上級者向け、玄人向けといった具合のカテゴライズがしてある。

敢えて何が違うのかは明記はしないが、察しの良い方なら察してそのままその言葉を飲み込んで欲しい。

私は平然としながらも、内面では勇気を振り絞りある人物が指定するTENGAに手を伸ばした。

玄人向けである。

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この毒々しいデザイン、少しカッコいいという錯覚を覚えるがあくまでもこれはトレーニング器具だ。前衛的なインテリアではない、消耗品なのだ。

私はこれを女性店員に差し出して購入した。

時を少し遡ろう。私はこれを買う前に過ちをおかしていた。

指定された商品とは別のものを購入してしまっていたのだ。これだ。

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似て非なるトレーニング器具。お値段1300円程(税込)。さらに返品が面倒なIDでの決済をしてしまっていた。

あとで間違いに気付き、供にしていた友人を次に行く目的地に先に行っておくれと促す。大切な友人の時間をTENGAを買え直す時間に費やすのはあんまりだと考えたからだ。

そして私はまた気だるそうな女性店員に声をかけた。買う商品を間違えた、交換は出来ないか、と。

返品は可能だった。しかし試練があった。

女性店員がインカムを手に社員を呼び出している。なるほど、返品はパートでは出来ない処理か…と思っていた。その時である。

「先程TENGAを買われたお客様が…」

と女性店員がインカムで伝えるのを聞き逃しはしなかった。生き地獄、これが羞恥心の極みというものか。

やがてヤクザ映画顔負けの強面の社員が来て、現金で返金し指定された商品を再購入。

 

これであとはトレーニング器具を消耗するだけ。これで幕引きだと思っていた。

…が、ダメ…!

 

早速お風呂場へこそこそと入り、いろいろと準備をして、いざ!!

 

……ん?入らない?

 

いや、ここで引きさがれるか。えいや、と力を込めた。

 

中には入った。しかし、違和感…いや痛みを感じた。そして私は見たのだ、あのおぞましき光景を…!出血…!紛うことなき負傷!

男ならば分かるだろうか、この痛みを。

 

それでも私は引き下がらなかった。たった一度与えられた命はチャンスだから。

 

擦り剥けた。

 

頭の中で「no fear、no pain 恐れるものは何もない」と励ます歌が流れた。

そうだ、ここで負けるわけにはいかない。

私は決死の覚悟で押し込んでいった。

 

「おっほ!」

 

お分かりいただけた、だろうか。

齢28にもなる男が男のためのトレーニング器具をいそいそと風呂場で使い素っ頓狂な声を出している。これが大人の姿とでもいうのだろうか……。

 

 

結論:

TENGA黒ハードはいろいろな意味で皮が厚いもの、刺激を求めるもの、痛みこそ快楽の至高という上級者、いや玄人にしか扱えぬものであり安易に手を出してはいけない。

その力たるや男の力で力を込めて握りしめているの如く。決して誇大表現ではない。

なお、これはあくまでも個人的な感想であり、脅迫をしてきた人物は男ではなく女性であり、私のこの現状を「やばい、面白い」と言う妖精の姿をしたなにかである。

その女性は平らな…ん?誰か来たようだ、チャオ!